骨の貯金はたりていますか? ~骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のお話~

あま中川整形外科・手のクリニック院長の中川です。今回は、当クリニックで診断・治療を行っている「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」について、お話したいと思います。
骨の健康が気になる方や骨密度検査に興味のある方に向けて記載しています。
 
骨粗鬆症と健康寿命

私たちの体を支える「骨」は、体全体の支えとなり、日々の生活をスムーズに送るために欠かせない存在です。しかし、骨の健康状態は外見や自覚症状からは判断しにくく、気づかないうちに「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」という病気が進行してしまうことがあります。
 
骨粗鬆症になると、骨の密度が低下して骨がスカスカになり、骨折しやすい状態になります。日本の高齢者の寝たきりの原因として、第1位は脳血管疾患ですが、第2位には「転倒などによる骨折」が挙げられており、骨粗鬆症は健康寿命を大きく左右する重要な問題といえます。

骨も「貯金」が大切
 
骨の健康を「貯金」に例えるとわかりやすいでしょう。若いうちは骨密度(骨の強さを示す指標)が高く、骨が丈夫な状態です。しかし加齢、ホルモンの変化、生活習慣などにより、40歳を超える頃から少しずつ「骨の貯金」が減っていきます。
 
皆さんはご自身の「骨の貯金」がどれくらいか知っていますか?

「骨の貯金」が少なくなってきていても、外見や自覚症状では気づきにくいものです。中には、脊椎圧迫骨折(せぼねの骨折)まで起こしても、痛みが軽度な場合や一時的である場合には気づかれないこともあります。いつのまにか背が縮んだ・背中が曲がってきたと、レントゲンで初めて気づく「いつのまにか骨折」とも呼ばれます。
 
閉経後の女性、運動不足が続いている方、カルシウムやビタミンD不足の方も、骨粗鬆症のリスクが高いとされています。

骨密度を測ることから始めましょう

骨の健康状態を知る第一歩は、「骨密度測定」です。
 
骨密度検査にはさまざまな方法がありますが、当院では最も正確で信頼性が高いとされているDEXA(デキサ)法の医療機器を採用しています。DEXA法で大腿骨(足の付け根)と腰椎(せぼねの腰の部分)の骨密度を同時に測定します。これらは骨粗鬆症による骨折が最も起こりやすい部位ですが、DEXA法で正確に評価できるため、早期発見と治療に最適です。

治療方法
 
骨粗鬆症の診断を受けた方の中でも、急いで貯金を増やした方が良い方、貯金が減るペースをゆっくりと遅らせる方と、治療方法もさまざまです。検査の結果に応じて、生活習慣改善のアドバイスや、必要に応じた治療方法をご提案します。
 
最後に

「まだ大丈夫」と思っていても、骨の健康状態は年齢や生活習慣によって大きく変わります。骨密度検査は、未来の健康を守るための第一歩です。骨粗鬆症や骨の健康が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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